内容が増えたので移植、加筆修正等を行い別記事化しました。
以下本文
TZR/TZM50RやRZ50の所謂「4EU系」エンジン向けのボアアップキットとして、デイトナをはじめとしてオートボーイやキタコ、リップス等のボアアップシリンダーが市場に流通している。これらは一般的に最高速のアップやよりパワーを捻り出すことを目的とするため、混合給油、もしくは分離混合併用での使用が推奨されているなどしている。しかしながら、混合給油のためには常にオイル缶を持たねばならず、これは長距離ツーリングでは厄介な存在になる。
大阪から伊豆まで普通に移動する私にとって、50ccのパワーで足りないわけではないが、常に高回転で回さなければ流れに乗れないのはいささか寿命に悪い。回しすぎず快適に街乗りや長距離移動を行い、名四国道などでホワワkm/h以上の流れに難なく乗るためには、やはりボアアップは必要だ。現状だと常にレブ当てしないといけない。しかし分離給油はしたくない。このような悩みを抱えている人は、案外多いのではないだろうか。
一応、デイトナのボアアップキットでは、給排気系が純正の場合はそのままのオイルポンプで良いとされている。昔の2stのボアアップキットでも、そのようなことが多いだろう。実際、純正の分離給油というものは安全マージンがあるので、その範囲内に収まるレベルであれば、混合を使わなくても良いという考えだ
いいわけ無いだろうが
数百キロの距離を移動する私にとって、出先でぶっ壊れるのは死活問題。常に全開で回し続けても焼き付かない程度にきちんとした適正量の油膜をマージン込みで維持したい。
4ストロークエンジン、特にモンキーやエイプなどのエンジンであれば、強化オイルポンプというものが販売されている場合が多い。しかし今は令和の時代。2stの強化オイルポンプなんてものは販売されているはずがない。ジャイロキャノピーなどは、分解可能なオイルポンプのため改造によって吐出量を増大させるなどが可能なようだ。おそらく、3TU系のエンジンについても分解可能なのでできるだろう。しかし、4EUエンジンのオイルポンプは分解不可能な形状をしている物がほとんどだ。唯一、TZR50Rのある世代のエンジンにのみ、DT230やTZR125Rなどと同一構造のオイルポンプが搭載されており、それは分解改造が可能ということらしい。じゃあやってみようじゃないか……というのが、今回の記事の前日譚(前置きが長い)
最初から改造可能なオイルポンプの存在を知っていたわけではなく、最初は輸出モデルの同一クランクケースを使用しているTZR80RRの4BAエンジンのオイルポンプを使えばいいんじゃなかろうか、という試みを思いつきました。
しかし、eBayで当該のブツを買うにしてもちょっと種類も多くて想定しているブツがきちんと届くかわからん!ということで半ばあきらめていたところに、Twitterでそのポンプの情報が飛び込んできました。
分解状態で失礼
この樹脂プーリーのタイプのオイルポンプは、プランジャ径と取り付け穴形状がTZR125やDT230ランツァと同じなんですね(寸法を実際に私が計測したわけではないですが、多分プランジャまで一緒なんだから間違いないと思われる)
分かる人にはわかりますが、カム山でオイルポンプのプランジャストロークを制限する?調整する?ことで圧送量を変化させているということは、そのカム山を削ればストロークが増えます。以下本文
TZR/TZM50RやRZ50の所謂「4EU系」エンジン向けのボアアップキットとして、デイトナをはじめとしてオートボーイやキタコ、リップス等のボアアップシリンダーが市場に流通している。これらは一般的に最高速のアップやよりパワーを捻り出すことを目的とするため、混合給油、もしくは分離混合併用での使用が推奨されているなどしている。しかしながら、混合給油のためには常にオイル缶を持たねばならず、これは長距離ツーリングでは厄介な存在になる。
大阪から伊豆まで普通に移動する私にとって、50ccのパワーで足りないわけではないが、常に高回転で回さなければ流れに乗れないのはいささか寿命に悪い。回しすぎず快適に街乗りや長距離移動を行い、名四国道などでホワワkm/h以上の流れに難なく乗るためには、やはりボアアップは必要だ。現状だと常にレブ当てしないといけない。しかし分離給油はしたくない。このような悩みを抱えている人は、案外多いのではないだろうか。
一応、デイトナのボアアップキットでは、給排気系が純正の場合はそのままのオイルポンプで良いとされている。昔の2stのボアアップキットでも、そのようなことが多いだろう。実際、純正の分離給油というものは安全マージンがあるので、その範囲内に収まるレベルであれば、混合を使わなくても良いという考えだ
いいわけ無いだろうが
数百キロの距離を移動する私にとって、出先でぶっ壊れるのは死活問題。常に全開で回し続けても焼き付かない程度にきちんとした適正量の油膜をマージン込みで維持したい。
4ストロークエンジン、特にモンキーやエイプなどのエンジンであれば、強化オイルポンプというものが販売されている場合が多い。しかし今は令和の時代。2stの強化オイルポンプなんてものは販売されているはずがない。ジャイロキャノピーなどは、分解可能なオイルポンプのため改造によって吐出量を増大させるなどが可能なようだ。おそらく、3TU系のエンジンについても分解可能なのでできるだろう。しかし、4EUエンジンのオイルポンプは分解不可能な形状をしている物がほとんどだ。唯一、TZR50Rのある世代のエンジンにのみ、DT230やTZR125Rなどと同一構造のオイルポンプが搭載されており、それは分解改造が可能ということらしい。じゃあやってみようじゃないか……というのが、今回の記事の前日譚(前置きが長い)
最初から改造可能なオイルポンプの存在を知っていたわけではなく、最初は輸出モデルの同一クランクケースを使用しているTZR80RRの4BAエンジンのオイルポンプを使えばいいんじゃなかろうか、という試みを思いつきました。
しかし、eBayで当該のブツを買うにしてもちょっと種類も多くて想定しているブツがきちんと届くかわからん!ということで半ばあきらめていたところに、Twitterでそのポンプの情報が飛び込んできました。
分解状態で失礼
この樹脂プーリーのタイプのオイルポンプは、プランジャ径と取り付け穴形状がTZR125やDT230ランツァと同じなんですね(寸法を実際に私が計測したわけではないですが、多分プランジャまで一緒なんだから間違いないと思われる)
ジャイロキャノピーの改造とかではオイルポンプの加工記事が検索すればヒットします。
シェイリン@Shaerine_Fluent@Tank_make @taweg9 ここで、排気量毎にオイルの吐出量が違うはずだと思いましたのでSMよりスペックを調べました。
2020/06/15 00:04:50
TZR50R(後期型) 最小ポンプストローク 0.09mm
最大ポンプストローク 1… https://t.co/0lpGNZyH6T
上記ツイが消えたときのために転記
TZR50R(後期型) 最小ポンプストローク 0.09mm 最大ポンプストローク 1.13mm TZR125R(4FL) 最小ポンプストローク 0.20mm 最大ポンプストローク 2.78mm
つまり、プランジャの上下を最も制限しているTZR50Rのカム山が一番高いので、TZR50Rのオイルポンプを買ってばらしてカム山のプロファイルをいい感じにしてやれば80ccとかの排気量に合ったオイル混合量になるはずなので、分離のまま乗ることができるはず。純正のカムを削らなくても、3Dプリントでカムを作ることもできると思うので、自由なカムプロファイルに設定することができるでしょう。
ということで、オイルポンプ買ってきたので検証開始
まぁこんな感じにドレンのインサートナットが抜けるという小さなトラブルは有りましたが、簡単に分解できました。
このオイルポンプの分解時にゴムのメクラ栓を外す必要がありますが、どうやっても無傷で摘出することは不可能です。そのくせ部品設定がASSYなので発注も不可能(たぶん裏型番は存在していますが特定が不可能です)。しかし、こちらは汎用のオイルシールが市販されていますので、それで代用可能です。DT230,TZR125等の同型オイルポンプも同様に使えるはずですので、ぜひ試してみて下さい。
純正が厚み4.5(だったと思う)、これは厚み5ミリですが、問題なく使用できます。
話を本筋に戻しますが
で、このカム山の黒いところを
削りました。ちなみにプロファイルは適当です。多めに削ってあるのでたぶんオイル多すぎるくらいだと思います。少なくとも純正よりかは削ってある以上、吐出量は増えるはずなので、このまま50ccに取り付けて乗るとオイルが濃すぎてパワーダウンする程度で壊れやしないと思います。
しかし!今や貴重な2stMT者のカムを削って無駄に消費するのもダメだろうということで、3Dプリントでカムを発注してやろうということになりました。
DMM.makeのナイロン印刷であれば、おそらくナイロン12のため耐油性、耐摩耗性、剛性などに問題はなさそうです。問題は寸法誤差の吸収ですが…
とはいえ、先にカムを削ってしまったので、純正のカムの状態があまりわからないまま作ることに。どうせ楕円で作れるやろと思いましたが、色々と甘かった。
これが現在最新版の寸法誤差込みのボアアップオイルポンプカムのデータです。次の図は、それを純正カム(後日ヤフオクで落とした)に落とし込んだ図になります。
全閉時はカムが最も高くなる付近でプランジャの動きが最も制限されるのですが、もう少しヤマが低いようです。
私は単なる円と楕円で形成されていると思いこんでいましたが、どうやら違うようで、実際はこう
二重円と楕円が正しいようです。今後はこの情報も用いてボアアップオイルポンプカムの設計を進めていきたいと思います。(とはいえ、試作段階では高すぎる山をヤスリで削るだけになりそうです)
こんなかんじで、DT230等のデータを頂きながらいい感じになる吐出量を推定し、マージン込みでカムプロファイルを決定しています。
まあ少なくとも、純正より吐出量が増えていれば焼き付くことはないと信じて作っていこうと思います。
試作が完了すれば次は各種強度試験を行い、ボアアップして性能試験を実施したいと思います。
長距離試験も当然ながら実施し、高回転域での焼付きの心配もなさそうだと確信できた場合、カスタムパーツとしてキット販売を行おうと考えています。
オイルポンプの形状が大きく変わってしまうので、それと並行して専用のカバーもRZ50向けに制作します
ご期待ください。
おまけ
オイルポンプの回転軸、それもクランクケースにくっつく側のオイルシール あれ部品でないんですよね。
ここから買えます(情報提供: )。情報提供ありがとうございます。
どうやら若干厚いらしいですが問題ないみたいです。国内で買えるシールに関しては、形状と用途から汎用品を探しましたがダメだったようです
こんなところからオイルシール買う人は自分で寸法測ると思うので書きません。めんどうなので。次にオイルポンプ出してくることがあればその時に測りますね
2021/11/25追記
これ当該サイズのシールポチっても一生届かないので注文してはキャンセルされて低評価、注文してはキャンセルされ低評価ってのを繰り返してたらついにページ消えてましたね 在庫無いなら出品するなド阿呆め……
ということでこれに適合するシールは気が向いたらまた捜します