お高いですが。(1万円以上はするらしい)
たかだが点火装置に1万円も出してられんわ。あほくさ。
まあ買ったけど。
これがまあ低速域はもちろんのこと高回転でもありえん回っていくという結構いい感じのCDIなんですが、まあそんな月並みな感想をここで書いても仕方がないので省略する。
話変わってCDIの動作原理について、だ。
CDIは、エキサイタコイルで発電した高電圧をコンデンサへチャージしておき、フライホイールに取り付けられた鉄片が、コイル状のピックアップセンサーの近傍を通り過ぎる時のコイル内の磁束密度変化に伴って発せられる起電力(点火信号)を用いてサイリスタをターンオン(ポイント点火の場合は物理的に接点をオンに)し、イグニッションコイルの一次側へチャージした電力を突っ込むと言ったもので、ウン十年前から存在するあたり特段難しいことをしているわけではない。実際に、アナログCDIの製作例はインターネット黎明期の時点では既に存在し、HT-Rocket回路などであまりにも有名である。
一方、デジタルCDIの制御についてはアナログと比較すると例が少なく、TZRやキャビーナのCDIを自作している例(使用マイコンはそれぞれArduino(ESP32)、PIC)がある。
有名どころでは
さて、それでもこの記事を読みたい奇特な人間が居るようなので、以下にCDI製作の動機としての要点を述べる。
・YEC-CDIが
・自分の技術の腕試し
・来年は社会人なので学生生活の集大成として
・話のネタ
・動いたらおもしろそう(興味本位)
・完全オリジナルでDC-CDIではなくAC-CDIのデジタルCDIを作ってる人は居ない(新規性)
※AC-CDI:ジェネレーターの電力のみでCDIを稼働させる(そもそもアナログ回路なので制御は行っていない)。DC-CDIはバッテリーから電力をとり点火を行う。高圧生成に関しては内蔵インバータで12Vから昇圧している場合と、高圧のみエキサイタコイルから得ている場合がある。前者はDC-DCI(CDI特別してイグナイタと呼ばれている?)の純正パーツ等、後者はOSR-CDI等が挙げられる。
特に最後のAC-CDIは重要で、私のRZ50は全波整流改造済みなのですが、DC-DCIだとバッテリーが上がった際やレギュレーターがパンクした際にDC-CDIだと詰んでしまいます(私の場合は予備の部品が積んであるので、出先でも交換すれば済む話ですが)。
実際に浜松でヘッドライトとかの電装がどこかで短絡して死亡した際、(車両火災防止の為)ジェネレーターの充電系統をひっこぬいてバッテリー電源だけで大阪まで帰宅したことがあり、その際もAC-CDIだからこそ帰宅できたという事例があります。DC-CDIの場合はバッテリーあがり対策として緊急時にUSB電源で動作させることなどを考える必要があります。
デジタルDCIの利点としては、アナログと違っていくらでも点火時期を変更させることができるので、理論上はYEC-CDIの安全マージンを超える点火時期に設定することができるので、さらに多くのパワーを出せることや、キャブセッティングのガバを点火時期で吸収することができる 等が挙げられます。面研などで圧縮比を変えてパワーを出さずとも、点火時期を変えれば圧縮比は低いまま同じパワーを出せる。気がする。
いずれにせよ、点火時期を自由にいじれるCDIというものは、
以上のことを踏まえて、今回作るCDIについて目標設定を行います。
・YEC-CDIと同等以上の可変点火MAPなデジタルCDIの作成
・可能であればAC-CDI、ハーネスポン付け
実現可能性については、4EU向けのデジタルCDIとしてはPOSHからYECコピー品と言われるデジタルCDIが既に発売されており、DIPで切り替えることで点火時期をある程度変更できます。既に発売されているなら作れないことはないでしょう。
AC-CDI(デジタルCDI)において最も重要なことは安定した電源の確保です。それも、セルを回しただけの弱々しい電力かつ短い時間にマイコンを起動しなければ点火させることはできません。
この点に関しても、POSHのデジタルCDIが発売されているなら問題はありません。作れるはずです。また、ハード側でマイコン起動までの時間はアナログ点火CDIとして動作させる、等をすれば初爆の制御を行えるのかという問題は解決できそうです。
とはいえ、いきなりAC-CDIを作るのはたいへんそうなので、まずはDC-CDIを作ってから電源部を作り、その後電源部を実装という形を取りたいと思います。
ということで、次回はCDIを作るために必要なデータ集めです。エキサイタコイルの発生電圧、ピックアップコイルの出力波形、YEC-CDIの点火時期を走行ログで計測、等です。
ではでは